【人生100年時代】ロコモ体操とダンス【健やかに過ごすために】
こんにちは。東京都品川区戸越銀座商店街すぐ近くの社交ダンス教室、助川ダンス教室の助川太朗です。
私が出張レッスンで訪れているホールでは、いつも私たちのダンスの前の時間にロコモ体操というのをやっています。ロコモ体操のロコモというのはまだ聞きなれない方も多いと思いますが、ロコモティブシンドロームの略だそうです。ロコモティブシンドロームというのは最近テレビでも取り上げられることが多くなったと感じますが「運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態」を指します。筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板などの運動器に障害が起こり、機能が低下した状態が続くと、立ったり、座ったりすること、歩くことが困難となることにつながり日常生活に支障を来たしたり、要介護となるリスクが高くなると言われています。
ロコモ体操はロコモを予防するために考えられている体操で、ダンスをしている身からその動きを眺めていると気づかされる点が多くあります。
ふくらはぎの筋力を鍛えるヒールレイズ(立ってつま先立ちをして、踵を下すことを繰り返す運動)はワルツのライズしてロアーしての動きととても通じると感じますし、バランス能力を付けるために行う片脚立ちの大切さも体重移動を普段の歩行よりも意識してしっかりとそしてゆっくりと行う機会があるダンスを踊っているとよく理解できると思います。
ロコモ体操では椅子や壁を使って支えにしながら様々な動きを行いますが、これも実はふたりで踊る社交ダンスでは一緒に踊る相手が支えとなってくれて自然と椅子や壁の代わりになってくれます。相手がいることで自分の状態に応じた適度な支えを受けながら様々な動作を行うことができるので、ケガや病気などで運動機能が一度的に低下した状態から回復させる場合のリハビリとしてもとても安心感のあるものだと思います。
もちろんダンスで全てが万全というわけではなくてスクワットほど下枝の筋肉を鍛える動きは普通に踊っていると中々無い気がするので、そこは体操で補うのが良いと思います。
うちの教室では80歳を過ぎた方も元気いっぱいで楽しそうにダンスを踊っていらっしゃいますよというお話をダンスをされていないご高齢の方にすると、ダンスが出来るくらい元気な方はいいわね、というお声をいただくことがあります。
もちろんダンスや体操をしていたからといって病気にならない保証はありません。リスクをゼロにすることはできないわけですが、平均寿命が伸びている今日、せめて自分の行動で防げるものは防ぎたいですし、身体を動かすことを少しでも心がけておくことで1日でも長く元気に過ごすことができるならそれに越したことはないと思います。
ロコモ体操に参加されている方を数か月間続けて拝見していると、みなさん最初の頃に比べると姿勢もきれいになって、足取りもしっかりとされて来ます。ダンスも同じで何歳からはじめても誰でも必ず上達しますし、踊っている姿勢も美しくなります。人間が呼吸をしている限り全てのものが一方的に下降線となり衰えて行くということはなくて、必ず成長する部分はあります。そこをどう引き出すかというのは我々にとっての大きな仕事だと思いますし、そして自分の成長する部分をどう伸ばせるかというのはその方自身の気持ちによるところも大きいと感じます。
ひとりでも多くの方にとってダンスとの出会いが心身ともにプラスに働くものとなりますように。
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